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電車の駆動方式

吊り掛け駆動方式
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鉄道技術研究写真 ●吊り掛け駆動方式
吊り掛け駆動方式を使う車両は、江ノ島電鉄や箱根登山鉄道などと現存例は少なくなりました。この方式は、 構造が非常に簡単で製造コストが安く、大型主電動機にも対応出来るというメリットがあります。
主電動機は、輪軸と台車枠の間に橋渡しされた状態(輪軸と台車枠に吊り掛けられた状態)になる事から吊り掛け駆動方式と呼ばれています。
吊り掛け駆動方式は、主電動機が車軸と平行に配置されて主電動機軸の小歯車(平ギア)から車軸の大歯車を駆動させます。
吊り掛け駆動台車(東洋電機TDK583形)
主電動機の車軸側には軸受が設けられ、この軸受部分を輪軸に乗せます。輪軸と軸受の間にはアクスルメタルと呼ばれる平軸受で軸受を挟みます。主電動機は、輪軸との位置関係が平軸受により円周上を動くだけなので相対的な距離は一定になり、輪軸と反対側の部分は台車枠に取り付ます。この取り付け部分の支持方式は、ノーズ・サスペンション方式とバー・サスペンション方式があります。
ノーズ・サスペンション方式は、主電動機の片端に設けられた突起(ノーズ)を台車枠に固定する方式を指します。
台車枠とノーズの間にはバネや防振ゴムを挟み車軸の変異に対応しています。
バー・サスペンション方式は、主電動機の片端に棒状の部品(バー)を取付け台車枠に固定する方式を指します。軸距の短い台車の場合に有利で台車枠とバーの間にはバネを挟みます。主に路面電車、軽便鉄道で用いられました。
※上左写真はデハ600形(東急玉川線から江ノ島電鉄に譲渡車両)です。
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カルダン駆動方式
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カルダン駆動方式は、主電動機(モーター)をバネ上の台車枠に固定してユニバーサル・ジョイント(自在継手)を介して車軸側の歯車装置を駆動する方式を指します。
1950年代に出現した高度な設計・性能のカルダン駆動電車の事を「高性能電車」と呼ばれました。カルダン駆動と全電動車方式で編成を組んで高い加減速性能を持たせて列車の運転密度を上げる事に貢献しました。代表例はJR103系電車等です。
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鉄道技術研究写真 ●直角カルダン駆動方式
直角カルダン駆動方式は、ウォームギアと平歯車の組み合わせで駆動軸がレール方向に平行となるように主電動機を台車に装架した形式をいいます。
スパイラル・ベベルギアを採用した事で平行カルダンでは得られない静粛性を得ましたが、高精度な切削処理が必要となり実用化に苦労したそうです。
日本では東芝と日立製作所が製造を行い、主に相模鉄道で用いられ現行車両では7000系・8000系・9000系まで採用されてますが、JR東日本E231系をベースにした10000系からはTD平行カルダン駆動方式へ移行しています。
※左写真は相模鉄道7000系(7707F)です。
直角カルダン駆動車両
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鉄道技術研究写真 ●TD平行カルダン駆動方式
TD平行カルダン駆動方式は、中空軸平行カルダンの撓み板継手を2個を組み合わせ、小型化したTD(Twin Disc)継手を中実軸の電動機と歯車との間に設けた形式です。
このTD継手をWN継手に置き換えればWN平行カルダン駆動方式と同じ構造です。
東洋電機製造が実用化しました。
WN方式に比べ構造が簡単で、騒音も少なく保守性も高い事からJR・私鉄各社の採用例が多数あり、JR東日本では205系・209系・E231系・E233系等が搭載してます。
※左写真はJR東日本E231系のDT61G形電動台車です。
TD平行カルダン駆動台車
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鉄道技術研究写真 ●WN平行カルダン駆動方式
WN平行カルダン駆動方式は、主電動機を車軸と平行に台車枠に固定し、主電動機の出力軸と駆動歯車を大きな偏位を許容するWN継手を介して接続する形式です。
WN継手の内部では、円筒形の内歯歯車とその中に設置された外歯歯車の公差を利用して変位を吸収し、内側の外歯歯車をばねで固定し、かみ合わせが外れることを防ぐ構造になっています。主電動機の荷重を「ばね上」の弾性支持とした車軸無装架駆動方式なので、WN継手はカルダン継手とは異なる機構です。
※左写真は小田急電鉄5000形(5256F)です。
WN平行カルダン駆動車両
また"WN"とは開発に携わったアメリカのウェスティングハウス・エレクトリック社(電機メーカー)とナタル社(歯車メーカー)のイニシャルから来たそうです。小田急電鉄の現行通勤車両はWN平行カルダン方式を採用しています。
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主電動機

直流複巻整流子電動機
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直流複巻整流子電動機は、一世代前の電動機です。
鉄道技術研究写真 直流複巻整流子電動機の制御は、抵抗制御や界磁チョッパ制御で用いられます。
回生ブレーキの使用を可能にする事が出来ますが、構造が複雑で重量も増加する傾向にありました 。同じ構造で交流直流両用の交流整流子電動機もあります。
直流複巻整流子電動機の出力特性は、始動時に最大ルクを発生し、回転数の上昇に伴いトルクが減少して回転力が増し広範な速度範囲に適応する特性持ちますが、ブラシや整流子の磨耗が起こるので消耗パーツとメンテナンスを要する事がネックでした。
特にブラシは、東日本大震災で被災した部品メーカー(日立化成グループ等)の供給不足で、直流複巻整流子電動機を搭載した列車が運行出来ない問題が危惧されました。
※直流電動機ブラシの素材(カーボンブラック)についてはこちらをご覧下さい。
TM83形直流複巻整流子電動機
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かご形三相交流誘導電動機
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かご形三相交流誘導電動機は、現在主流の電車用電動機です。
鉄道技術研究写真 鉄道技術研究写真 鉄道技術研究写真
TM03形三相かご形誘導電動機 MT68A型三相かご形誘導電動機 MT68形内部構造
三相交流で回転磁界を生成し導体の両端を総て短絡した「かご型構造」のかご形回転子を利用した電動機です。(写真3)
瞬時の回転数に比例した電圧と周波数の交流電圧を生成し、優れた特性の速度制御としてインバータ方式と呼ばれています。
この電動機はブラシやスリップリング等の摩耗・接触通電部分がないのでメンテナンスが容易なのが利点です。
上写真(2)(3)はJR東日本E231系に搭載されているMT68型かご形三相交流誘導電動機です。
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永久磁石同期電動機
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永久磁石同期電動機は、次世代の電動機とされます。
鉄道技術研究写真 鉄道技術研究写真 永久磁石同期電動機の特徴は、回転速度が電源周波数によって決まり、専用の可変電圧可変周波数制御VVVFインバータ装置によって走行を任意にコントロールする事が出来ます。往来の電動機にない立ち上がりの良さでスムーズな動力を実現しました。
また整流子・ブラシ・界磁励磁回路・スリップリング(非接触で電力や信号を伝達する機構)がなく、保守が容易な事です。
FS779M形台車 DDM永久磁石同期電動機
上の写真左は永久磁石同期電動機を採用した東京地下鉄16000系の電動台車、写真右はDDM(ダイレクトドライブモーター)を実装したJR東日本E331系です。永久磁石同期電動機は、2006年に日本で初めてJR東日本が、E331系で採用しましたが、東京地下鉄は、2009年より開始した02系(丸ノ内線)の更新で採用され、2010年2月より営業運転を開始してます。
新製量産車では2010年11月導入の16000系が初の本格採用となりました。
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ボルスタレス台車と空気バネ

ボルスタレス台車
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鉄道技術研究写真 鉄道技術研究写真 鉄道技術研究写真
TRS-03M形台車(東武鉄道) FS072形台車(西武鉄道) TR246N形台車(JR東日本)
現在の主な台車は、JR東日本205系で採用されたDT50形台車に代表されるボルスタレス台車です。
以前は、重ね板バネを用いたウイングバネを使用していましたが、主電動機の装着方法が吊り掛け駆動方式からカルダン駆動方式へ推移した事で、直進安定性の向上とバネ下重量の軽減が研究されてボルスタレス台車が登場しました。
この台車は枕梁(ボルスタ)を省略したシンプルな構造と走行性能で従来の制式台車を大きく陵駕したとされます。
現在の主力車両であるJR東日本E233系は、TR255形及びDT71形の軸梁式ボルスタレス台車を、小田急電鉄4000形ではTS-1033形及びTS-1034形の軸梁式軸箱支持式ボルスタレス台車を装着してます。
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空気バネ
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鉄道技術研究写真 鉄道技術研究写真 鉄道技術研究写真 鉄道技術研究写真
検修場に並べられた空気バネ 台車に装着した空気バネ 空気バネジョイント部オス 空気バネジョイント部メス
この台車と車体を繋げる空気バネは、台車の枕バネ部に使用されているサスペンションで乗り心地に大きく影響します。
車高を一定に保つ自動高さ調整弁を装着し、空気圧縮機で作られた圧縮空気で給排気調整を行います。
空気バネは路面電車から新幹線まで広く採用されています。
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補助装置

集電装置(パンタグラフ)
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鉄道技術研究写真 東京の場合は、架線に直流1,500Vの電圧が流れています。電極のプラスが架線側、マイナスがレール側です。架線は正式には架空電車線と呼ばれ、架空電車線方式において列車が通る空間の上部(地上4.5m付近)に張られ、電気機関車や電車の集電装置と接触しながら連続的に電力を供給するための電線の事です。
集電装置は大別すると菱形とシングルアーム型パンタグラフがあり、東洋電機製造と工進精工所で製作されています。架線式でない第三軌条集電方式を採用する東京地下鉄銀座線・丸ノ内線については、こちらを参照して下さい。
※新幹線・常磐線(取手駅似北)・つくばエクスプレス(守谷駅似北)は交流電源です。
直流1,500V架空電車線
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鉄道技術研究写真 ●菱形パンタグラフ
1990年代以前の集電方式の主流で、低・中速での追従性能が良い事が特徴です。
上昇している姿を横から見ると菱形に見える事から菱形パンタグラフと呼ばれています。パンタグラフの枠は、鋼管を使用し上枠と下枠からトラス型に組んだもので、架線と接触する部分のスライダーとで構成されています。
占有面積が大きく、風圧抵抗が大きい事などの理由から、現在ではシングルアーム型が主流になりました。2005年頃まで国内で生産されたそうです。
PS28型パンタグラフ
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鉄道技術研究写真 ●シングルアーム型パンタグラフ
シングルアーム型パンタグラフは、1955年にフランスのフェブレー社(Faiveley S.A.) が開発し、特許を取得しました。日本では 同社の特許保護期間が終了した1990年代初頭から生産され、電鉄各社が装備をする様になりました。
菱形パンタグラフと比べて折りたたみ時の占有面積が小さく、摺動抵抗となる関節を減らしてスタビライザーを装備した事で、枠の軽量化と高剛性化の両立が出来て高速時の架線追従性が向上しました。現在は構成部品点数が少く製造保守コストも有利になったシングルアーム型パンタグラフが主流となりました。
PS33D形パンタグラフ
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空気圧搾機・電動発電機・静止型インバータ
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鉄道技術研究写真 鉄道技術研究写真 鉄道技術研究写真 鉄道技術研究写真
HS20形K空気圧搾機 MH3119形空気圧搾機 タンク 装着された空気圧搾機
●空気圧搾機(コンプレッサー)
空気圧搾機で作られた圧縮空気は、タンクに溜めて必要時にドア開閉やブレーキシューを作動させる為に使われます。
タンク内で既定の空気圧が下がると空気圧搾機が作動する仕組みになってます。空気圧搾機は動作しないと走行が出来なくなる列車の重要装置です。近年では動作時の静寂性に優れた仕様になりました。
写真(3)は小田急4000形、写真(4)は小田急8000形に装備されたものです。
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鉄道技術研究写真 ●電動発電機
電動発電機は、通称MG(Motor Generator)と呼ばれ、車内蛍光灯・冷暖房装置・制御装置などのサービス用電源を作る発電機です。架線の直流高圧電力から入力し、発電機で交流低圧電力(AC100V〜)を生成しサービス電源に充当させます。これは半導体素子での電力変換が難しかった時期(1980年代迄)に採用された機器です。電力変換効率が良くない事もあり、現在では静止型インバータ制御等の電力変換方式に推移しています。
電動発電機
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鉄道技術研究写真 ●静止型(SIV)インバータ
往来の電動発電機と異なり、駆動部を持たないサービス電源として主流なのが、静止型インバータです。走行用のVVVFインバータ制御装置と区別する事から静止型または略称SIV(Static InVerter)とも呼ばれます。導入当初は、GTO素子によるインバータ装置でしたが、現在はIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を主素子とした構成になっています。尚、SIVは停止すると電車が運行不能になる事から編成中のSIVを2台以上の装備または非常時に走行用VVVFインバータをSIVとして動作させるデュアルモードインバータ方式になっています。
静止型インバータ
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密着式連結器・半永久連結器
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鉄道技術研究写真 鉄道技術研究写真 鉄道技術研究写真 鉄道技術研究写真
東武50050形密着式連結器 連結した状態 JR東日本E233系密着式連結器 連結して走行中の状態
●密着式連結器
密着式連結器は、行き先別に編成を分割・増結する為にあり、車両間の引張力を伝達する事が基本的な機能で先頭車両に装備されてます。特長は連結器同士の遊びが無く前後の揺れが少ない事です。
連結器同士が対面すると角棒状部分が互いの穴に挿入されて、内部でロックされるオスメス構造で、角棒状部分にブレーキ用の空気管などを仕込めるので連結作業が軽減されます。
自動解結装置を装備した車両では、解放レバーにエアシリンダーが組み込んであり、運転室内の列車解結操作スイッチで解放操作が可能です。密着連結器の下にある箱は制御信号用のジャンパ連結器(上写真3)です。これは連結時にお互いのカバーを開く棒が押し込まれて自動的に電極が導通し、制御回路等を接続・連結する仕組みです。
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鉄道技術研究写真 鉄道技術研究写真 ●半永久連結器
固定編成を組む中間車両を連結する場合は、半永久連結器(上写真3,4)を採用してます。2つの車両を棒と継ぎ手で繋いだシンプルな方式です。車両基地での整備場等で組み合わせを行います。解除しない事を前提に使用される連結器です。この他にブレーキ用の空気圧を供給するブレーキ管や、電気配線等を連結するジャンパ栓で車両の間を繋ぎます。
東武6050形永久連結器 東武50050形永久連結器
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鉄道技術研究写真 ●並形自動連結器
並形自動連結器は、機関車・一般型客車・貨車等に広く採用され、日本の鉄道で永年採用された形式です。水平面上での首振りが可能で垂直方向の誤差(22mmの遊間)は、連結面をカバーして高さの異なる連結器を装備する車両の併結を可能にしますが、電車での使用は、衝撃・動揺が多い事から密着式連結器が一般的です。原則として非常時の救援目的のみに使用するという前提で、つくばエクスプレス・京王井の頭線・東京地下鉄南北線(左写真)が固定編成専用として採用してます。直通運転してる東急目黒線・都営地下鉄三田線も同様です。
並形自動連結器
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鉄道技術研究写真 ●ジャンパ栓受
ジャンパ栓受は、車両間の制御回路や電源の接続をするコネクターです。
ジャンパ栓と呼ばれる長さ1m程度の太いケーブルは、コネクタがメスで、差し込まれる車体側のジャンパ栓受(左写真)はオスになってます。連結器が車両同士を機械的に連結するのに対してジャンパ栓は車両間の制御や電源の接続をします。

※写真は東京地下鉄6000系中間車両のジャンパ栓受です。
ジャンパ栓受
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検索 クイックメニュー 執筆:鉄次郎
※内容は随時に加筆修正を行います。
解説参照:ウィキペディア
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