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列車保安装置

信号機
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4色灯式信号機 3色灯式信号機 灯列式入換信号機 減速現示する4色灯式信号機  
鉄道技術研究写真 信号機ある路線は、原則としてATS(自動列車停止装置)が設置してあり信号機と連動した閉塞方式です。閉塞区間は、原則として「1つの閉塞区間に同時に2つ以上の列車が入らない」という基本コンセプトがあります。閉塞区間で大きなカーブや駅終端等は、速度制限標識や中継信号機等で細かく速度制限されますが、2005年3月2日に発生した「土佐くろしお鉄道宿毛駅衝突事故」で駅終端防護用ATSの設置、同年4月25日に発生した「JR西日本福知山線脱線事故」で曲線等速度超過防止用ATSの設置を国土交通省が全国鉄道事業者に義務付けました。
ATS表示灯(運転席)
【4色灯式信号機の例】
4色灯式信号機は、進行(青)・減速(黄青)・注意(黄)・警戒(黄黄)・停止(赤)等で点灯します。
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写真 現示 指示内容 制限速度
信号機 進行 4つ先の閉塞区間まで先行列車がない 進行
信号機 減速 3つ先の閉塞区間までは先行列車がないが4つ先の閉塞区間に先行列車がいる 75Km/h
信号機 注意 2つ先の閉塞区間までは先行列車がないが3つ先の閉塞区間に先行列車がいる 45Km/h
信号機 警戒 1つ先の閉塞区間までは先行列車がないが2つ先の閉塞区間に先行列車がいる 25Km/h
信号機 停止 1つ先の閉塞区間に先行列車がいる 停止
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京成電鉄の成田スカイアクセス線には、高速進行(青青)信号があり130km/hを超えた進行を許可します。
京浜急行電鉄には、105km/h以下への減速を指示する抑速(黄青)信号があり1分間に80回点滅させ減速を促します。
ATS装置は、信号現示区間毎の制限速度を超過して次の閉塞区間に進行しようとした場合、警報を発した上で非常ブレーキを動作させる仕組みです。これは信号現示の見落とし等のヒューマンエラーを支援する重要な保安装置です。(下記参照)
※色灯式信号機は2灯〜6灯式があり、電球に替わって発光ダイオード(LED)を採用しています。
※ATC(自動列車制御装置)を採用する路線の場合は、車内信号式なので信号機はありません。
※現示信号での制限速度は鉄道事業者で基準が異なります。
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【信号機の種類】
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鉄道技術研究写真 鉄道技術研究写真 ■出発信号機
列車が駅からの出発を許可を指示する絶対信号機です。運転士の「出発進行」という喚呼は、出発信号機が進行現示(青色)を確認という意味です。出発信号機が注意現示(黄色)で確認したら「出発注意」の喚呼になります。
進行 停止
鉄道技術研究写真 鉄道技術研究写真 ■場内信号機
列車が駅構内へ進入を許可を指示する絶対信号機です。
駅長の意思を表す信号機なので無閉塞運転は出来ません。
注意 停止
鉄道技術研究写真 鉄道技術研究写真 ■閉塞信号機
自動閉塞区間の始まりに設ける信号機です。
動作は前後の閉塞区間信号機と連動しています。
警戒 進行
鉄道技術研究写真 鉄道技術研究写真 ■中継信号機
中継信号機は自動閉塞区間で、見通しの悪い地形やカーブ等で設置されます。
視認し難い一つ先の信号機に対し、中継する事が目的です。中継信号機自体に速度制限はありません。
制限 停止
鉄道技術研究写真 鉄道技術研究写真 ■入換信号機
車両基地や駅構内等で車両の入換を行う際に、分岐器の進入指示を出す信号機です。
入換信号機 入換信号機
鉄道技術研究写真 ■誘導信号機
通常、1閉塞区間は1列車のみ入れますが、途中駅で2つの列車を連結して1列車とする運行の場合は、誘導信号機を使います。構内の1閉塞に2列車を入れ、進入指示を出して連結させます。
誘導信号を現示すると15km/h以下の速度制限です。
注意
※鉄道信号機の大手メーカーである日本信号機の公式サイトは、こちらをご覧下さい。
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自動列車支援装置
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鉄道技術研究写真 ●自動列車停止装置(ATS)
自動列車停止装置は、ATS(Automatic Train Stop)と呼び、衝突防止や過速度防止を目的とした保安装置の事です。電車が停止信号を越えて進行しようとした場合や信号機の指示速度を超過した際に、乗務員に警報を与えたり、列車のブレーキを自動的に停止させて衝突や脱線を防ぐ装置です。この様にATS装置は、運転士のヒューマンエラーに対するバックアップを目的として鉄道事業法で全国の鉄道事業者に1967年から設置義務化されている保安装置でもあります。
ATS地上子
信号機の現示や速度制限などの情報を列車に送る装置が地上子(左上写真)です。その情報を車上子が受信し、車上装置で列車の速度が許容された範囲なのかを照合する速度照査を行い、速度超過時には自動的にブレーキを動作させます。
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鉄道技術研究写真 鉄道技術研究写真 ●ATS-P形
ATS-P形は、デジタル伝送パターン形としてJR東日本が標準装備するATS方式です。地上子から情報を受信し、自車の制動性能と走行距離からリアルタイムのパターン(制動開始から減速・停止するまでの速度変化曲線)を車上装置で演算型速度照査を行います。この方式は安全性を損ねる事なく、列車間隔を縮める事に成功した実績を持ちます。
ATS-P形車上子 ATS-P表示灯(運転席)
D-ATS化してない首都圏の主要路線「中央快速線・中央総武緩行線・東海道線・京葉線・横須賀線・埼京線」等で設置されています。また列車密度の低い路線「武蔵野線・川越線・八高線・中央東線・五日市線・相模線・鶴見線」等は、ATS-PN形(エンコーダ省略無電源地上子方式)が設置され互換性を持ちます。
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●多変周式信号ATS
多変周式信号ATSは、現示信号に合わせて一定の速度で連続的に照査します。警戒信号の速度制限を受けてから現示アップで制限速度が上昇しても、次の地上子を通過して情報を受信するまで警戒速度の制限が続きます。解除するにはATS確認ボタンを押して照査を解除する必要があり、列車密度の高い路線では遅延を生じる欠点があります。小田急電鉄・京王電鉄などで採用していますが、既に京王電鉄は相模原線で京王ATCに変更し、京王本線・井の頭線も全線で切り替える予定です。小田急電鉄も多摩線で試験を重ねてから、2013年度に全線を小田急D-ATS-P形に切り替える予定です。小田急D-ATS-Pはこちらを参照下さい。
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●その他ATS
東急電鉄は、軌道電流式ATSという独自形式を採用していましたが、現在は多摩川線・池上線のみで使用しています。他路線はCS-ATCに変更されてます。東武鉄道は、多変周式・2段階パターン照査形TSP式を採用していますが、CS-ATCを東上線「池袋駅〜小川町」駅間に設置予定です。西武鉄道・相模鉄道は、連続照査形AF軌道回路方式を採用していますが、相模鉄道は、ATS-P形(JR東日本)に切り替える予定です。京浜急行電鉄・京成電鉄・都営地下鉄浅草線で使用されるATSは、C-ATS/i-ATS形式で軌道回路からデジタル伝送を用いて往来型より詳細な情報を現示に応じた連続速度照査を行い安全を確保しています。
※電鉄別保安装置の一覧はこちらです。
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●JR東日本型デジタルATS(D-ATS-P形)
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鉄道技術研究写真 鉄道技術研究写真 デジタルATSは、JR東日本の在来線で採用されている最新式ATSです。従来のアナログATSは地上装置から最高速度を直接表示する地上主体型の階段制御でしたが、D-ATS-P形では地上装置から列車が止まるべき場所を列車に送信し、車上装置は列車の現在地を把握した上で最適な速度及び速度パターンを車上装置が持つデータベースの中から検索・表示します。
D-ATS-P形車上装置 D-ATS-P形地上子
減速時にはATS-P形と同じ車上主体型のパターン制御に変更する事で、車両性能に応じたブレーキ扱いが可能になります。 このシステムはJR東日本「京浜東北線・根岸線・山手線・横浜線」などで採用され、今後は他路線もATS-P形から変更される予定です。
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自動列車制御装置(ATC)
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鉄道技術研究写真 自動列車制御装置は、ATC(Automatic Train Control)と呼び、ATSを発展させたものとして速度を自動的に制限速度以下に制御する事を目的とした保安装置の事です。
ATCは1964年に開業した東海道新幹線で初めて採用されました。
新幹線は、最高速度210km/h(当時)での営業運転を行う為、高速運転中に信号機を視認する事は極めて困難です。
またブレーキをかけても完全に停止するまでには数kmの距離を必要とする事から在来線のATSでは安全を確保する事が出来ません。
そこで車内信号方式(CS-ATC:CabSignal-ATC)による速度信号現示を行って信号現示より高い速度で運転されている場合には、自動的に速度を信号現示以下に減速させるシステムが開発されました。
外見上の特徴は、線路脇に設置される信号機がありません。
進行・制限80Km現示(CS-ATC車内信号)
鉄道技術研究写真 これが現在のATCの標準的仕様になります。
ATCの種類は電鉄会社で様々ですが、レールに設置されたATC地上子の情報(前方の閉塞状況等)を列車のATC車上子が受信し、車上装置が最適速度を判定して速度現示します。この時の速度パターン段数などに違いがあります。東京地下鉄(旧・帝都高速度交通営団)は、1961年に開業した日比谷線で地上信号方式(WS-ATC:WaysideSignal-ATC)を長期試験を開始しました。現在は、銀座線・丸ノ内線が採用し、2003年からCS-ATS形を副都心線・半蔵門線・有楽町線・日比谷線・東西線など全線で採用しました。東急電鉄では田園都市線・大井町線・目黒線・東横線(ATC-P形)で採用されてます。
ATC車上子(赤丸)と右側がATC装置(CS-ATC)
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自動列車運転装置(ATO)
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鉄道技術研究写真 自動列車運転装置はATO(Automatic Train)と呼び、つくばエクスプレス・東京地下鉄(南北線・副都心線・丸ノ内線)等で採用してます。いずれもホームドア対応ワンマン運転区間の支援装置として運転士の運転操作が優先する様に設計されています。南北線を例にとると「平常」「回復」「遅速」の3つの自動モードがあり、平常運転モードは、ATC制限速度5km/h下の速度で走行します。回復運転モード(列車遅れを回復させる場合)は、平常運転より+2km/hで走行(ATC制限速度の3km/h下)し、遅速モード(列車を遅らせる場合)は、平常運転より-10km/hで走行(ATC制限速度の15km/h下)を自動制御する事が出来ます。
※写真赤丸は南北線に乗り入れる都営地下鉄6300形のATO出場ボタンです。
ATO出場ボタン
※ATOについて詳しい解説はこちら(PDF)を参照して下さい。
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鉄道技術研究写真 ●定速運転装置
定速運転装置は、VVVFインバータ制御方式が登場するまでは、複巻整流子電動機の分巻コイルの界磁電流を磁気増幅器・可変抵抗・サイリスタなどで速度制御を行う方式が主流でしたが、VVVFインバータ制御方式登場後は、周波数を固定する事で比較的容易に定速運転が実現出来る様になりました。E231系の場合、マスコンハンドルを「力行」の最大ノッチに合わせて「定速」ボタンを押す事で自動的に「力行「惰行」を行います。これでマスコンハンドルを操作する事なく列車は定速を保持し全体的なスピードアップを実現します。他の系列車両では定速運転を行う手順が違いまが、合理化する目的は同じです。
定速運転ボタン
※上写真赤丸は京王井の頭線1000系の定速運転ボタンです。
   マスコンをノッチオフ、任意の速度でボタンを押す事で速度が保持されます。主に急行列車で使われてる様です。
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●定位置停止装置(TASC)
定位置停止装置は、TASC(Train Automatic Stopping Controller)と呼び、列車が駅に停車する際に自動的にブレーキをかけてホームの定位置に停止させる為の運転支援装置です。駅手前に設置された地上子から停止位置までの距離情報を受信して速度パターンを発生させ、実際の列車速度がパターンに追随する様にブレーキを制御する仕組みです。
東京地下鉄では銀座線・丸ノ内線・南北線・副都心線等で、東急電鉄では目黒線・池上線・多摩川線等で採用してます。
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●過走防止装置
過走防止装置は、過走余裕距離が特に短い終端駅や、列車が同時に進入進出する駅などに設置しています。
複数の地上子がそれぞれ列車の速度を照査し、制限速度以上で列車が通過した時は、非常ブレーキを作動させて列車を停止させます。小田急電鉄新宿駅、京王電鉄新宿駅・高尾山口駅・京王電鉄井の頭線渋谷駅・吉祥寺駅に設置されています。
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●誤出発防止装置
万が一、列車が停止信号を無視して出発した場合に直ちにブレーキをかけて列車を停止させる装置です。
信号機からポイント(分岐器)までの余裕がなく、信号機直下の地上子では止まりきれない場所などに設置しています。
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鉄道技術研究写真 ●緊急列車防護装置(TE装置)
緊急列車防護装置は、TE(one Touch Emergency device)装置と呼ばれてます。列車に緊急事態が発生した場合に「緊急」ボタンを操作すると、非常ブレーキ・防護無線発報・発煙筒点火・警笛吹鳴(断続的に緊急の意味を示す吹鳴)・非常パンタグラフ下げなど一連の列車防護操作が自動的に行われます。緊急時に1つのボタンで迅速かつ自動的に行うこの装置は、大変有効な保安装置と言えるでしょう。通勤・近郊型電車では、JR東日本E231系・E233系・京浜急行電鉄2100形・相模鉄道11000系・10000系・京成電鉄3000形などが採用してます。
JR東日本E231系TEボタン
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緊急列車停止装置
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●デッドマン装置
デッドマン装置は、列車運転中に運転士の意識喪失等のアクシデントが発生した場合に自動的に列車を停止させる保安装置です。2006年国土交通省「鉄道に関する技術上の基準を定める省令の改正」で車両にデッドマン装置またはEB装置の緊急列車停止装置を設置する事が鉄道会社に義務付けられました。
構造は、1ハンドルタイプの場合、マスコンハンドルの握り部分に保持レバーがあり、手を離すとマスコンハンドルの握り部分が飛び出し、即座に非常ブレーキがかかる仕組みになっています。ワンマン運転の場合は無線による非常信号が発信されます。規格・仕様は統一してないので様々なタイプがあります。
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●EB装置
EB(Emergency Brake)装置は、JR各社で普及している緊急列車停止装置です。小田急電鉄4000形・3000形・相模鉄道1000系・11000系等でも採用されてます。マスコンハンドルを走行中の態勢バランスを保つ様に取付られてます。
片手式に装備されるEB装置は、一定時間(約1分)以上の運転操作をしないと警報ブザーが鳴動すると共に警報ランプが点灯し、非常ブレーキが作動します。デッドマン装置との違いは、主に電車で運転されてきた私鉄と、機関車の一人乗務化の際の安全対策として一般化した国鉄(現・JR)との違いによるものが大きいそうです。
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列車情報管理システム
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●TIMS装置(Train Information Management System)
TIMS(ティムスと読む)は、列車情報管理システムの事で、JR東日本と三菱電機が共同開発したものです。車両の力行や制動、出区点検、空調管理などを一括して管理するコンピューターシステムです。
鉄道技術研究写真 運転台の液晶モニタで、 力行・ブレーキ制御、回生バランス制御の情報や 速度計・圧力計・電圧計等・キロ程演算等の運転手ナビゲーション機能も表示されます。

TIOS(Train Information Odakyu management System)は小田急電鉄で呼び、
TICS(Train Information Control System)は名古屋鉄道やJR西日本で呼びますが同様の装置です。
TNS(Train Navigation System)は京王電鉄で呼び、 停車駅などの運転乗務支援を目的としているもので、行先・車内案内表示器・空調等の制御は出来ません。
小田急TIOS装置
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●TIS装置(Train control Information manegement System)
車両制御情報管理装置(TIS)は、三菱電機が1988年に完成させて東京地下鉄03系で採用されたシステムです。以降の新系列車で標準搭載となりました。主な機能はマスコン指令や常用ブレーキ指令を直列伝送化等で車両の力行や制動、出区点検、空調管理機器などの動作状態を監視し、異常時には乗務員室にモニタ表示して故障データの収集と記録を行うシステムです。機器構成は先頭車にTIS中央装置を、中間車にTISユニット装置を搭載して伝送線で接続します。
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※東京圏輸送管理システム(ATOS)についてはこちらをご覧下さい。
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無線列車制御システム(ATACS)
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ATACS(アタックス)は、JR東日本が1995年から開発した世界初の列車制御システムです。保安の為の膨大な地上設備を減らす事を目的に研究が続けられ、2011年10月10日に仙石線「あおば通〜東塩釜」駅間で運用が開始されました。ATSやATCとの相違点は「閉塞区間」がない無線通信を利用したシンプルな構成で、列車が自ら在線位置を把握して通信する事で信号機間の閉塞区間を作ることなく列車間隔の制御を実現しました。今後、現在の列車間隔制御の基本機能に加えて踏切制御や臨時の速度制限などの応用機能も設置する予定です。
※JR東日本の公式発表はこちら(PDF)です。技術資料はこちら(PDF)です。
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検索 クイックメニュー 執筆:鉄次郎
※内容は随時に加筆修正を行います。
解説参照:ウィキペディア
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